円高ドル安に時におすすめの米国株投資戦略!ドル安+金利の上昇をチェックする!
海外への投資が一般的になった昨今、株価と共にチェックしたいのが為替。
株価が好調でも為替が「円高ドル安」になってしまうと、「危ないんじゃないの?」「どうなっちゃうの?」と心配する人も多いかもしれません。
そこでここでは円高ドル安時に備え、どのような投資戦略を考えるべきかをファイナンシャルプランナー兼証券マンが解説してみたいと思います!
まず、そもそもドル安ってどれくらいからをいうかご存知ですか?
ドル安とはいくらから?直近10年でみる大まかな基準値
そもそも「ドル安(円高)」とはいくら位の水準を呼べばいいのか?
実は、明確に答えはなく、基準次第でその定義は変わってきます。
1ドル=150円を基準にすると120円でも円高ドル安ですし、1ドル=100円を基準とすると110円でも円安ドル高になります。
ただ、直近10年の為替のチャートをみると、おおむねちょうど100円あたりが真ん中ではと判断できます。
と考えると、100円を割り込むと「ドル安(円高)」という捉え方が、一般的かなという意識が市場でも出てくるのではないでしょうか。
ドル安になると持っていたアメリカ株の価値は下がる
「ドルが安い」ということは、ドルで持っている資産の価値が(日本円に換算したときに)下がってしまうことになります。
例えば、アップルの株を10,000ドル分持っているとします。
1ドルが100円のときには100万円の価値がありますが、1ドルが90円になるとその価値は同じ10,000ドルでも90万円に下がってしまうのです。
これが、主なドル安による投資リスクと言えます。
※もちろん日本の株でも、株価はドル安による影響は受けますが上記ほどのインパクトはありません。
ドル安時にアメリカ株は買うべき
逆に言うと、ドル安時はアメリカの株が安く買えると言い換えることも出来るます。
欲しいアメリカ株がある場合は、出来るだけドル安のタイミングで買うことで投資金額を小さくし、利益が出やすくなりますね。
まあ、「いつがドル安か」という深い議論はありますが、それを一旦置いておけば「ドル安=アメリカ株の買い時」というのは間違いなく言えることです。
ドル安時に日本株は買うべきといえる理由
また、実はドル安時は、日本株においても買い時と言えます。
日本は輸出企業が多く、特に上場しているような大手企業は売上や資産をドルで計上している企業が多くあります。
ドル安時というのはこの売上や資産の価値が日本円で小さくなってしまうので経営状態が良くても売上や利益が小さく見え、株価が安く評価されることが多いのです。
自動車会社でいうと、実際にはめちゃくちゃ海外で車は売れているんだけど、ドル安のために売上金額が増えず、株価も安いというイメージですね。
そうすると為替さえ回復すれば必然的に売上ひいては株価が上がることが期待できるので、ドル安のうちに日本株を仕込んでおくというのも戦略として間違ってはいないのです。
ドル安時に中国株は買うべきかは要判断
日本以外の国、例えば中国株においても考え方は同じです。
アメリカで売上を上げている以上は、ドル安時は売上や資産が低く評価されて株価が割安であることが多いので仕込み時と言えます。
しかし注意が必要なのは、ドルが円に対してのみ安いのではなく、中国通貨に対して安い必要があります。
単に「円高」であるだけではなく、世界の各通貨に対してドルの価格が下がっていることを確認してから判断しましょう。
ドル安+金利の上昇が時のアメリカ株投資のタイミング
日本円で資産を計上する以上は、基本的にドル安時はなんでも買い時となるので積極的に投資額を増やしたいところです。
特に、米国株や米国へ投資する投資信託などはその恩恵をダイレクトに受けるので、割合を出来るだけ増やすことが理想です。
ここで重要なのは、それらの投資は「ドル高」に変わって初めて実を結ぶ投資であるので、将来の「ドル高(円安)」を必ず見越す必要があります。
そこで注目しておきたい指数が「金利」です。
米国債10年利回りをチェックする
具体的には、アメリカの金利の代表とも言われる「米国国債10年利回り」に注目しましょう。
その国の金利が上がれば、基本的にその通貨は高くなるからです。
イメージとしては、アメリカの金利が上がっていると、すなわちアメリカの通貨で持っておくことで利息が多くもらえることになりますね?
そうなると世界中からこの金利を求めてドルに集まり、ドルの価格が上がるというわけです。
つまり、アメリカの金利が上がる兆しが見えるのであれば、それはドルが高くなっていく兆しと捉えることが出来るということです!
ちなみに、こちらはアメリカ国債利回りの10年チャートですが、このように上がってきていることがわかりますね!
ただ単に「ドル安だから買おう」ではなく、「ドル安かつ金利は上がってきているから買っておこう」がより正解に近い投資戦略と言えるのです。
ドル安時におすすめの銘柄は高配当銘柄
では実際に「ドル安水準かつドル高に向かいそう!」と感じたときに投資したい銘柄は何でしょうか?
シンプルにドル建ての株、つまり米国株への投資で問題ありません。
ドルにお金が集まってくればドル建て資産の価値が上がるだけでなく、アメリカに流れたお金は当然アメリカの株にも入ってくるので株価の押し上げ要因にもなります。
為替と株価のダブルでの資産価格上昇が期待できるというわけですね。
ここで特におすすめしたいのは、高配当銘柄と呼ばれる「コカ・コーラ」や「AT&T」といった銘柄です。
配当の高い銘柄をドル安で安く買うことができれば、為替がドル高になってくるとそのもらえる配当金も日本円に換算すると高くなります。
為替と株価と配当金のトリプルで利益を狙うことが出来るんですね!
例えば、配当利回り3%のときに買った銘柄は、為替が10%ドル高になれば受け取れる実際の配当利回りは3.3%とこちらも10%増しになるということです。
是非ドル安時にはこういった高配当銘柄を資産として買い増しすることをオススメします。
ドル安はあらゆる投資チャンス!
というわけで、投資先が日本株であっても海外の株式であっても、日本円での投資を行う以上はドル安というのは資産が安く買える「バーゲン期」ということが出来ます。
「今が円高ドル安!」と感じるのであれば、きたるドル高に備えて資産を買いためてみてはいかがでしょうか?
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