楽ラップの手数料に含まれる「信託報酬」とは?
信託報酬 | 重要度(★★) |
楽ラップに限らず、投資信託を持っている以上は「信託報酬」という考え方とは必ず付き合っていたなければなりません。
信託報酬は、簡単にいうと投信を持っていることで発生する手数料です。
ただ、なかなか初心者には理解が難しくよくわからないまま持っている方も多いかと思います。
特に長く投資をする場合トータルの損益に大きく関わる部分になるのでここを無視するのは絶対ダメです!
信託報酬=運用会社への手数料
「信託報酬」というのはなんともややこしい名前ですが、要するに「運用会社」への手数料です。
運用会社というの投資信託として投資家から集めたお金をもとに株や債券などを実際に売り買いしてくれる会社です。
その会社は投資家の代わりに市場をチェックしながら株を売買するので、手数料や人件費がかかりますし、そもそも運用のプロですので、それ自体に価値があるともいえます。(運用会社目線でいうと…)
なので投信を持っている限りこの「信託報酬」を支払うのは当然と言えば当然ともいえます。「信託報酬」=運用会社の利益ということですね。
ちなみに、信託報酬は商品ごとに定められているので、買う場所(証券会社)によって異なるということはないと合わせて覚えておくと良いでしょう。
投資信託にかかる手数料は2種類!
そもそも投資信託を購入する上でかかる手数料は「買付手数料」と「信託報酬」の2つです。
それぞれの違いは下記の様になっています。
- 買付手数料:買付時に買付金額の何パーセントとかいう形で投信の金額に上乗せされる手数料。「買付手数料」は投資信託を売っている証券会社などの「販売会社=証券会社」に払う手数料ということです。
ちなみに楽ラップでは自動で投資信託を買い付けますがこの買付手数料は無料です。証券会社(=販売会社)の努力によって下げられる手数料と覚えておきましょう。
- 信託報酬:楽ラップで取り扱う投資信託はもちろん、他のどの投資信託にもかかります。「信託報酬」は投資信託を運用している会社に払う手数料ということです。
信託報酬は、その投信を持っている金額の何パーセント(年間)という形で発生していますが、それを投資家がお金で支払うわけではなく、投信の「基準価額」に毎日反映されています。
「基準価額」とは投信の価格で、株価のように毎日(1日1回)変動します。実はこの「変動」のなかで毎日引かれているのが信託報酬です。
例えば一口10,000円の投資信託があるとすれば、年間で10円程度は信託報酬分として自然に「値下がり」しているのです。
信託報酬は払っている感覚のない手数料なので要注意
信託報酬の理解がなかなかされない理由の一つはそれが上記で説明した通り「払っている感覚のない手数料」だからです。
僕たちは自分の財布から「支払う」お金に対しては敏感に反応しますが、持っているものからじわじわ引かれてもなかなか実感はしないものです。
なのでここに無頓着な投資家も結構いますが、間違いなく支払っているのでシビアに見るべきでしょう。
100万円の投資信託を10年持っていれば信託報酬だけで数万円~十数万円は取られてます!
逆にいうと証券会社や運用会社からするとお客さんが「持っているだけ」でお金がチャリンチャリン入ってくるわけですから、証券会社の内部ではこのお客さんの「投信残高」を非常に重要な目標として追いかけているようです。(余談ですがw)
投資信託を選ぶときに最も重要視するべき指標
当たり前ですが、信託報酬は安いほどいいです。
信託報酬が安いということはそれほど品質(運用実績)が悪いんじゃないの?と思うかもしれませんが・・それは違います!
あくまでも信託報酬はかわりに資産を運用するための「管理費用」として取っているものなので、「運用に手間がかかるもの」のほうが高くなります。
どんなものが運用に手間がかかるかというと、「変わったものに投資する」場合です。
例えば日本の株を買おうと思ったら簡単ですが、ブラジルの株を買おうと思うと大変そうですよね?実際に大変です。コストもかかります。なので日本株の投資信託よりもブラジル株の投信の信託報酬は高くなってしまいます。
ブラジル株は極端な例ですが、日本株の投信同士でも、うまくコストを抑えて運用できている投資信託は信託報酬が安くなりますから、同じようなものに投資するのならコストを抑えて信託報酬も低く設定している投資信託を選んだほうがいいということです。
これは楽天証券での投資信託の詳細画面ですが、必ず「信託報酬」は記載されていますから、いくつかの投資信託で迷っているときはこの信託報酬を選ぶポイントにおくといいでしょう。
楽ラップの信託報酬は大丈夫か?
楽ラップの手数料はわかりやすくするためにこの信託報酬も含めて0.99%(年間)としていますが、そのうち信託報酬の占める割合は0.3%以下としています。
つまり約0.3%以上かかるような投資信託にはそもそも投資しないというのが楽ラップの方針なのですね。
世の中の投資信託は特別なものを除くとおおむね0.2%くらいから1.5%くらいの信託報酬のものが多いので、それを考えるとかなりコストにこだわって投資する商品を絞ってくれているようです。
まぁそこも含めて「おまかせ」というサービスなのでしょう。
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